
9日に投開票される大井町長選には、いずれも無所属・新人で、冷菓卸売会社社長の小田真一氏(65)、IT関連会社社長の諸星光浩氏(57)、テニスクラブ経営の鈴木武夫氏(66)の3人が立候補した。町政への思いや政策などを紹介する。
小田真一氏(65)「協働のまちづくりを」

町議4期目で議長を務めていた今年4月にいち早く出馬を表明した。現町政の財政運営力を高く評価する一方、今後の税収減を見据え、子育て環境の充実など多様なニーズに対応するには「産官学民の力で応える仕組みが必要」と協働のまちづくりに意欲を見せる。
外部委員会で行財政の進め方を精査する一方、週末も利用できる子育ての拠点整備や、地域資源を生かした「稼げる農業振興」も進める考えだ。
スローガンの「ありがとうがあふれるまちづくり」は議員になる時からの思い。課題解決に向けて役割を果たしている個々の担い手への感謝に加え、長男が中学時代に全盲となり、多くの助けを受けた。福祉行政に無知だった自分を戒め、支える力を尊ぶ言葉だ。「生まれて良かったと思える町にしていきたい」
諸星光浩氏(57)「ITを生かす行政に」

仕事で精通しているIT(情報技術)を取り入れ、町政情報をデータベース化する利点を説く。「地域の課題を誰もが見える形にし、進行具合を全町民が共有できる仕組みをつくりたい」
地域から町への要望の中で、達成できない案件は埋もれてしまう傾向があったと現状を指摘。「優先度、進行状況が分かるほか、他の地域でも事例が参考になる」と強調。人材の登録制度もつくるとしている。
子育て中で、議員として2期目途中での出馬。子どもの育成を背景に町政に関わった経験から、小中連携の中1ギャップ対策、居場所づくりにも注力したい構えだ。
一方、防災対策では酒匂川をはじめとした河川の氾濫形態、水の流れを把握し、避難に役立てる町独自の防災避難マップ作製を掲げている。
鈴木武夫氏(66)「住民視点で町づくり」

想定外の風水害に対する安心・安全な町づくりを政策の筆頭に掲げ、防災行政無線デジタル化を前倒しで進める意向だ。
一方、町が進める「相和地域の活性化」については閑静な丘陵地だけに「本当に良いのか」と疑問を投げ掛け、住民が何を望んでいるのか、実情に即した政策を進めたい、と強調する。
道路の新設も、バイパス化で地域住民にとっては危険が増えると指摘。「住んでいる人にとって一番良い政策を考えていきたい」と住民に押しつけにならないよう配慮をのぞかせる。
候補者の中では最年長で、町議7期目の途中で出馬を表明した。
町政一筋に町民の声を届けてきたとの自負がある。「町民が今まで以上に笑顔になれるよう、考え、実行して、この町を発展させたい」