17日投開票された小田原市長選は、元県議で新人の守屋輝彦氏(53)=自民党推薦=が、4選を目指した現職の加藤憲一氏(56)をわずか544票差で破り、初当選を果たした。守屋氏は集まった支持者を前に「輝かしい小田原の未来を皆さんとつくっていきたい」と喜びの声を上げた。一方、集大成とした4期目の道を閉ざされた加藤氏は「実績と今後の政策を精いっぱい伝えたつもりだったが」と無念さをにじませた。
「今の困難な状況を克服し、輝かしい小田原の未来を皆さんとつくっていきたい」。17日午後11時10分ごろ、小田原市栄町の事務所で初当選を決めた守屋輝彦氏(53)があいさつすると、集まった支持者らは喜びを爆発させた。
昨春の県議選出馬を見送ってからはこの瞬間のために全力を尽くしてきた。100回を目標としたミニ集会も8~9割ほど達成し、有権者の思いを丁寧に政策にくみ上げていった。
活動は新型コロナウイルスの感染拡大で有権者への直接のアプローチが難しくなった2月下旬以降も止まらなかった。さまざまなアイデアを駆使して政策の浸透を図った。インターネットで動画配信を重ね、ライブ配信した無観衆の市民会館大ホールで行った4月の決起集会も話題となった。
トップの決断力や行政のスピード感の重要性を打ち出して市長の座を射止めた守屋氏。「コロナ禍が収束しない中、まずは地域の医療崩壊を防ぐのが使命」と、早くも初登庁の日を待ちわびている様子だった。