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多選 2018秦野市長選(下)約束違反 「3期限り」翻意が響き

選挙 | 神奈川新聞 | 2018年1月24日(水) 12:01

秦野市長選が告示され、出陣式で若手支援者らとこぶしを突き上げる古谷義幸氏=1月14日、秦野市内
秦野市長選が告示され、出陣式で若手支援者らとこぶしを突き上げる古谷義幸氏=1月14日、秦野市内

 古谷義幸氏(70)の敗因は前回の市長選にさかのぼる。告示まで1カ月を切った2013年12月21日、秦野市末広町の事務所の開所式。支持者の前で、3期限りで市長を退く意向を表明していた。

 「次の世代にしっかりとたすきをつなぐためにも、今回は最後の選挙」。「最後だから」と支持者が奮闘した選挙戦は、次点の候補より1万2832票も多い3万1084票を集め圧勝した。

 3期目を市政の総仕上げと位置付け、古谷氏は次世代を担う若者を育てようと、政治塾もつくった。その計算が狂ったのは、新人高橋昌和氏(61)の立候補表明だった。


 市長選を7カ月後に控えた17年6月。「古谷氏の40年来のライバル」という自民の久保寺邦夫県議(81)が市役所に現れた。2カ月前に定年退職したばかりの元市財務部長の高橋氏を擁立し、記者会見を行った。

 高橋氏の出馬表明は古谷氏には寝耳に水の出来事だったという。「話し合いができなかった。6月の市議会が終わり、いずれ久保寺さんと市長選について話し合おうと思っていた」。対抗心を燃やし、出馬を決意した。

 「3期目を最後に後進に譲ろうと思った時期もあった。だが周りから最後まで責任を持ってやるべきだ、と多くの激励を受け、仕事や立場を考え、決断した。新人に戻ったつもりで、頑張りたい」。9月の立候補表明後、闘志満々だった。


 ところが、4年前に自らが発した言葉が致命傷となった。「3期でまとめ上げると話していた。約束と違う」。古谷氏を支援してきた市議は高橋陣営に参じた。

 選挙戦に入ると、街頭演説や選挙ビラで高橋氏は多選批判とともに「古谷氏の約束違反」を責め続けた。陣営幹部は「もちろん、『多選がすべて悪いわけではない』という人もいる。ただ、『3選限りと言ったよね』という話になると別。ほとんどの人が『約束違反はよくない』と怒っていた」と振り返る。

 知名度も政治経験も大きく負けていた高橋氏が「五分と五分の大接戦」という見立てを覆す圧勝を果たした。

 敗戦が決まり、古谷氏は淡々と話した。「(政策を)訴えたつもりだったけれど、有権者には届かなかった。自分の責任だと思う」

 
 

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