
衆院選が公示された10日、県内では18選挙区に60人が立候補を届け出た。全選挙区に擁立した自民・公明の政権与党に対し、希望・維新の保守系野党と共産・立憲民主・社民のリベラル系野党の3極が激突。野党第1党の分裂という異例の事態を踏まえた三つどもえの構図で、12日間の論戦が繰り広げられる。
立候補者数は、65人が出馬した前回2014年を下回り、現行の小選挙区制が導入された1996年の衆院選以降で最少となった。
前回は与党が14選挙区(自民13、公明1)を制し、野党・無所属が勝ったのは4選挙区。安倍政権の是非を問う今回は、7党が公認候補を擁立した。新党が伸長すれば政権の枠組みが変わる可能性もあり、与党の議席獲得数が焦点となる。
自民は、連立を組む公明の前職が出馬した6区を除く17選挙区に擁立。前回選挙区で当選した13人と比例復活3人の前職をそろえ、解散直前に前職が離党した8区には元職を立てた。
野党側は保守系とリベラル系の2極が、安倍政権への対立軸を鮮明に打ち出した。民進と合流した希望は自民とは異なる保守色を強調。共産と立憲民主、社民は候補者一本化による政権批判票の集約を進めた。
神奈川を重点区とする希望は、民進出身者8人を含む16人が立候補。小池百合子代表と都議会で協力関係にある公明に配慮して擁立を見送った6区では、維新の新人が出馬した。
共産は全選挙区に立てた前回から一転、野党共闘を指向して5選挙区で候補予定者を取り下げ、12選挙区での擁立に絞った。立憲民主は民進出身の前職3人を含む6人を擁立。社民は15区のみに新人を立てた。
諸派は3人。自民に入党した前職(4区)や民進出身の前職(8区)ら3人は無所属で名乗りを上げた。
対決の構図は、16選挙区で「自民・公明」「希望・維新」「共産・立憲民主・社民」の3極の各1人が争う形が整った。
今回の衆院選から県内の8選挙区で区割りが変更され、横浜、川崎など4市で行政区が分割された。
