任期満了に伴う湯河原町町長選は町の将来に向け、舌戦が展開されている。4選を目指す現職の冨田幸宏氏(61)と元町議で新人の室伏友三氏(70)=いずれも無所属。候補者の横顔や町政への思いを紹介する。
情熱を持ち初心で
冨田 幸宏氏(61)

「公平性、透明性、確実性に最初からこだわってきた。初心に立ち返り、情熱を持って湯河原町のために頑張っていきたい」
県立山北高校を卒業。2000年3月の町議選に初当選し2期務め、07年4月の町長選で初当選して3選を果たした。3期12年の間に、町長給与を20%削減し職員数を減らすなど行財政改革に注力。大型宿泊施設の誘致やJR湯河原駅前広場の整備、老舗旅館の再生など、官民連携による地域活性化にも取り組んだ。4期目ではこれまでの流れを継続しながら、子育て支援の充実や「関係人口」の増加などに意欲を燃やす。
約40年前から続けるゴルフはストレス解消策。「諦めてはいけないことを学んだ」競技でもある。座右の銘は「修身斉家治国平天下」。妻と三女との3人暮らし。
町政 ガラス張りに
室伏 友三氏(70)

「町民が納得できる予算編成、今までと違う“ガラス張り”の町政運営で新しい風を吹かせたい」
湯河原町宮上生まれ。日大大学院修了後に34年間、中学校の理科教諭として教壇に立った。2008年3月に教育環境を改善しようと町議選に出馬し初当選。1期4年務めた後、日本鳥類保護連盟専務理事などを歴任した。
現在暮らすのは同町と川をまたいで隣接する静岡県熱海市泉。行政区を超えて協力し観光立町としての活性化を目指すことを訴える。自然環境を生かした観光客誘致や中学校給食の実現、高齢者を町全体で支える地域包括ケアシステムの促進などを公約に掲げる。
趣味は子どもの頃から続ける登山で、健康のこつは高低差のある約8キロコースのランニング。妻と犬1匹、鶏15羽と暮らす。