【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市議選に川崎区から出馬した佐久間吾一氏の陣営が選挙運動と称してヘイトスピーチを繰り返した問題で、差別根絶に取り組む「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は投開票から一夜明けた8日、佐久間氏の落選について、「ヘイトを決して受け入れないという市民社会の意思が明確になった」と歓迎した。佐久間氏を支援した極右政治団体「日本第一党」最高顧問の瀬戸弘幸氏は当選目的はなかったと公表しており、「選挙まで悪用する差別主義者は刑事罰でなければ抑止できない」としている。
佐久間氏の得票は959票で得票率は1・4%。13候補中12位で、最下位当選者の得票の約4分の1、2797票差と当選にはほど遠かった。幸区から出馬し1441票、得票率2・7%だった前回2015年から大きく後退する結果に、市民ネットワークの山田貴夫さんは「第一党と組んだことで差別する目的がはっきりし、当て込んだ保守層の支持も得られなかったのでは」とみる。