相模原市の玄関口、JR横浜線の相模原駅前に東京ドーム3・6個分の広大な空き地がある。昨年10月には市主催の秋祭り「さがみはらフェスタ」が開かれ、約22万人もの市民らで大いににぎわった。
「駅前に広い空き地がある市街地は他にはない。ぜひサッカー場を造ってほしい」。イベントの一環の講演会で、サッカー元日本代表の北澤豪さんがこう言えば、対談相手が「テニスコートも欲しい」と応じる。聴いていた女性からは「私はショッピングモールがいい」「いや遊園地」との声が漏れ聞こえてくる。
この空き地は、米軍から国に返された米軍基地「相模総合補給廠(しょう)」の一部。かつては日本陸軍が戦車を製造していた造兵廠(しょう)で、戦後は米軍に接収された。長く米兵の住宅や物資置き場として利用されてきたが、市の返還運動が実り、2014年に国有地となった。
駅前の一等地をどう利用するのか。さまざまな人が夢を抱いている一方で、市もまた大きな未来図を描いてきた。
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3期12年続く現市政の下、この地でのまちづくりの計画案策定が21年をめどに進められている。
広域商業施設、宿泊施設、行政・文化施設、コンベンション施設…。市が作成したパンフレットにはさまざまな施設案が例示されている。
この地が注目されるのは駅前という立地だけではない。