
清川村の大矢明夫村長の死去に伴う村長選で12日、無投票で初当選した無所属新人で元教育長の岩澤吉美氏(62)が神奈川新聞社の取材に応じ、今後の抱負を語った。大矢村長の後継として、その路線を発展的に継承していくほか、住民懇談会を拡大し地域の声により耳を傾けるとした。
-後継指名を受けて当選を果たした。今の思いは。
「大矢村長は本当に村民に寄り添い、物事を進められた。村民第一の大矢村政を引き継ぎ、私も村民の声を受け止め、何事も一生懸命に取り組みたい」
-大矢村長の闘病により1年近く、トップ不在の非常事態が続いた。どう立て直していくか。
「大病の中でも、大矢村長は執行権者の長として役割を果たしてこられた。今後、自分にリーダーシップが求められるが、職員からのボトムアップも大事にしたい。各課で横の連携を取って村民の視点で考えてもらい、自分がその最終判断にあたっていければ」
-政策で何を重視する。
「高齢化が進む中で未病の改善や健康づくりを後押しし、元気な高齢者が活躍する村づくりを進める。また、村を発展させるには村の子どもをしっかりと育てていかないといけない。教育長を5年半近くやってきた経験も生かし、教育環境の充実、子育て支援策にも引き続き取り組む」
-教育環境では、老朽化した学校施設への対応が懸案となっている。
「一部の小中学校は40年以上が経過し、大規模改修か、建て替えかを見定めていかないといけない。研究、検討を着実に進める。加えて、現在も既に中学校から英語の先生を小学校に派遣するなどしているが、将来の小中一貫教育を見据え、小中学校間のスムーズな連携も高めたい」
-選挙戦は無投票で論戦が行われなかった。今後どんな姿勢で村政に臨むか。
「今まで住民懇談会を2カ所で開いてきたが、今後は村内に5館ある自治会館も加えたい。よりきめ細やかに地域で声を聞き、それを村政に反映していく」
-議会からは既存施設の管理・維持に課題も指摘されている。
「施設は建てればいつかは老朽化し、建て替えなどの時期を迎える。公約では健全財政も掲げており、将来に備えて蓄え、いざというときに改修できるような財政運営を目指す」
「施設を管理するだけでなく、ソフト面で生かしていくということも取り組みたい。生涯学習センターや自治会館での活動や交流の場を充実させていきたい。目に見えにくいかもしれないが、将来必ず芽が出て花が咲くと考える」