「マニフェストで高い評価を得ている小林市長が自らつくった条例を守らないのはモラルハザード(倫理観の欠如)だ。多選阻止が1丁目1番地」「3期12年と決めていたのだから、その期間で完結するよう職務を遂行し、後継者をつくるべきだった。それをせず、もう1期挑戦はおかしい」
現在3期目を務める現職小林常良(69)の出馬表明から3週間ほどたった昨年12月下旬、相次いで立候補の意思を明らかにした県議の佐藤知一(49)と、元市議の石射正英(65)は小林の決断をそれぞれ痛烈に批判した。
その舌鋒が鋭さを増しているのには背景がある。
多選による行政組織の硬直化や関係団体などとの癒着を防ぐため、小林が市長任期を「連続3期まで」とする努力規定を盛り込んだ多選自粛条例案を市議会に提出したのは初当選した2007年。2人は当時、市議会に名を連ねていた。