
任期満了に伴う三浦市長選は18日投開票され、現職の吉田英男氏(61)=自民推薦=が、新人の飯田俊行氏(68)との一騎打ちを制し、4選を果たした。
過去2回は無投票で、12年ぶりとなった選挙戦。大きな争点がない中、吉田氏の3期12年の是非が問われる形となった。吉田氏は、横須賀市との消防・ごみ処理広域化、任期中の観光客100万人増加など実績をアピール。「まだ途中の政策もあり、きちんと遂行して市民のために全力を尽くすのが自分の役割」と市政継続を訴えた。
自民党県連と連合神奈川の推薦、公明党県本部の支持を受けたほか、保守層の支持も手堅く集めた。
木村謙蔵市議が応援に回った飯田氏は「12年間でまったく結果が出ていない」と批判。市長・副市長の報酬50%削減など財政改革を掲げたが及ばなかった。
投票率は38・90%で、過去最低だった前回より17ポイント下回った。当日有権者数は3万8965人(男1万8823人、女2万142人)。
【開票結果】最終
当 8,571 吉田英男・無現【4】
6,262 飯田俊行 無新
▽吉田英男氏の横顔
三浦市出身。1979年に東京国際大を卒業し、横浜銀行入行。葉山支店長、県庁支店長などを経て2005年の市長選で初当選。父は元県議。モットーは「市民のために何ができるか」。妻と2人暮らし。1男2女がいる。南下浦町上宮田。
【解説】4期目一層の成果を
市政継続か刷新かが問われた選挙戦で、現職の吉田英男氏が新人の挑戦を退けた。市立病院の黒字化、補助金を活用した施設整備など堅実な手腕を市民が支持したといえる。
吉田氏は市議8人や地元選出の県議が応援に回り、地元経済団体の組織票も手堅くまとめた。国会議員7人が出陣式に駆け付けるなど終始、選挙戦を有利に展開した。
一方、政策論議はほとんど聞かれないままで市民の関心は高まらず、投票率は過去最低を大幅に更新。市長公用車廃止などを掲げた相手候補に比べ、吉田氏から具体的な政策は十分に示されたとは言い難い。
今回の出馬理由を「まだ道半ば。やりかけの仕事がある」とした吉田氏。20年前と比べ2割近く減った人口、厳しい財政状況の象徴とも言える二町谷地区埋め立て地への企業誘致など課題は山積している。
初当選時以来となる選挙戦で有権者の付託を受けた4期目は、一層の成果を出すことが求められ、市民の厳しい視線も注がれる。やり残すことは許されない。