民進党の横浜市内選出の国会議員、地方議員などで構成する協議会は9日に総会を開き、7月30日投開票の市長選の推薦候補者について協議会では選定せず、県連に委ねることを決めた。同党には現職の林文子氏(71)と緑区選出の市議伊藤大貴氏(39)の2人が推薦を依頼し、対応が注目されていた。
総会には37人が出席し、約2時間半にわたって議論した。協議会幹事長で市議の小粥康弘氏は「県連で推薦申請書を受理したので、県連ではかる」と説明。市議団の分裂回避を優先し、投票による候補者決定は見送った。10日にも県連で対応を協議し、17日の県連大会までには推薦候補を決める予定。
同党は2009年と13年(ともに当時民主党)の市長選で林氏を推薦。今回も林氏推薦の方向で検討を進める一方で、江田憲司代表代行(衆院8区)が焦点となっているカジノを含む統合型リゾート(IR)に関して「反カジノ」を掲げて独自候補の擁立を目指していた。伊藤氏は江田氏の元秘書。
伊藤氏は「党の判断に従う」などと述べ、自主投票の場合も出馬する意向を明らかにした。
同市長選では、元衆院議員の長島一由氏(50)も「反カジノ」を掲げて立候補を表明している。
公明が林氏推薦
政策前進評価、自民も
7月30日投開票の横浜市長選で、公明党は9日、3選出馬を表明した林文子市長への推薦を決めた。同党県本部は林市長との間で政策協定も結んだ。
2期4年間の林市政について、小児医療費の助成拡大や中学生向け横浜型配達弁当「ハマ弁」の全校実施などを挙げ、「われわれが市長に要望した多くの政策が前進した」と評価した。
7日に結んだ政策協定は、子育て支援と教育の充実、医療と福祉の充実など8項目にわたるが、カジノを含む統合型リゾート(IR)については「現段階で判断できる状況にない」(上田勇代表)として盛り込まなかった。
上田代表は争点について「林市長8年間の市政運営の実績をどう評価するか」と述べた。
自民党も9日、林氏の推薦を決めた。