大和市長選挙は、元市議で新人の古谷田力氏(54)が現職の5選を阻んだ。市政を揺るがす不祥事に発展した、大木哲氏(74)による職員へのパワハラ問題が市長選にどう影響したのか、今後の解決への道筋とともに探った。(山口 譲一)

前大和市副市長の金子勝氏(66)が、現職の大木哲氏(74)による職員へのパワーハラスメントをやめさせることができず、抗議の意思を込めて任期途中で辞職して2年が経過した。23日投開票の市長選で5選を目指した大木氏が落選したことについて、「市民の良識が示された」と安堵(あんど)した様子で感想を述べた。
一方で金子氏は、市長が交代してもパワハラ問題は一件落着とはならないと指摘する。「報復を恐れてか市議会の調査に口をつぐみ、記者の質問にも『該当する相談はない』などと答えた幹部職員がいた。これまで激しい叱責(しっせき)で休職したり、辞めていった一般職員も相次いだ」と明かす。
問題に背を向けた理由
現職落選・パワハラの闇 市役所組織の立て直し急務
2月の不出馬表明から2日後、豪華休憩所の設置で市議会と対立した「やまと公園」の完成式典に参加した大木市長(左から3人目)=大和市中央 [写真番号:1155084]