12月11日の投開票へ向け、現職と元職の一騎打ちとなった逗子市長選が佳境を迎えている。人口5万6千人のまちはどこへ向かうのか。市政の課題を考える。
「後ろからいきなりドスンと衝撃がきた。気付いたら倒れていた。何が起きたか、分からなかった」。7月9日夜、逗子市新宿の逗子海岸近くの路上。海の家の営業を終えた経営者の50代の女性は、同僚2人と駅に向かって歩いていた。
横須賀市に住む米海軍人の男(29)は女性を含め通行人の男女5人に相次いでタックルし、重軽傷を負わせた。顔や手など6カ所を骨折した女性は治療のため、仕事も休まざるを得なかった。
事件当日、逗子署は現場から逃げた男を見つけ、署に任意同行したものの自宅に帰し、在宅捜査とした。「米軍への忖度(そんたく)では」「不平等な日米地位協定のせいだ」。逮捕しなかったことが、海の家や自治会関係者の怒りに油を注いだ。
賠償や補償、今もなく
2022逗子の選択 米軍人不逮捕、トラブル多く住民怒り
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海水浴客らでにぎわう逗子海岸。近くの路上で米軍人による傷害事件が起き、不安が広がった=7月 [写真番号:1127878]