来年4月に予定される任期満了に伴う大和市長選まで半年を迎えたが、現時点で出馬表明者はいない。職員へのパワーハラスメント問題を抱える4期目の現職大木哲市長(74)は、出処進退を明らかにしていない。真相究明が進展しない中で、パワハラ問題を争点に立つ新人の立候補予定者も現れず、市政関係者の間に危機感が強まっている。

市政関係者の現状分析はこうだ。「新人ならば半年前には出馬表明して街頭活動を始めるのが一般的なので、動きは遅いと言わざるを得ない。大木市長は5選を目指すとの見方が日々強まっているが、表明は直前になるだろう。前回は多選自粛、今回はパワハラ、批判にさらされる時間を少しでも減らそうと短期決戦に持ち込む同じ戦略を取るのではないか」
4年前を改めて振り返る。前回は多選自粛条例の順守が争点となり、大木市長と元市議会副議長の一騎打ちになった。出馬表明は元副議長が告示日の29日前、市長は27日前。新人にとっては準備不足の「ドタバタ選挙」(市政関係者)で敗北につながった。
「多選の弊害、実証されつつも…」
パワハラ「深い闇」 無風状態に危機感 衆院区割りも影響
今年3月に行われた大和市議会調査特別委員会の参考人招致直後の定例会見で、発言内容などを問われた大木市長=市役所 [写真番号:1117485]