「若者の政治離れ」は本当なのか? Z世代をターゲットにしたマーケティングチーム「SHIBUYA109 lab.」が参院選を控えた4月、18~24歳の学生有権者400人を対象に意識調査したところ、7割超が「投票したい」と答えた。この結果をどう読み解けばいいのか、所長の長田麻衣さん(30)に聞いた。

―前回衆院選(2021年10月)前の調査でも8割近くが投票の意向を示していたが、実際のZ世代の投票率は30~40%。調査結果と投票行動とにギャップがあるのはなぜでしょう。
「衆院選後にも、SHIBUYA109の来館者に投票に行ったかどうか調査しました。行かなかった理由として、バイトや旅行など決まっていた予定を優先した、という回答が目立ちました。解散から投開票まで戦後最短の日程だったこともあり、調整が難しかったのかもしれません。地方から上京し、引っ越し先で投票できないと勘違いしている学生もいた。そもそも不在者投票や期日前投票制度を知らない若者も多かった印象です」
―現行の投票制度は若者になじまないのでしょうか。
「何をするにしてもオンラインでできる時代です。彼らにとっては電子投票のほうが自然で、場所に縛られるいまの仕組みはハードルになっている。投票所がどんなところか分からず、不安という声もありました」
―「投票したい」というZ世代はどんな問題に関心がありそうですか。