参院の発足から75年の節目を迎えた今回の参院選。神奈川選挙区には過去最多の22人が出馬した。国の針路を決める参議院にはどんな役割があるのか? 参院選に立候補するには何が必要なのか? 知っているようで知らない疑問にお答えします。
参議院とは?
▽二院制を採用している日本で、衆議院とともに国会を構成する議院の一つ。任期は6年で衆院の4年より長く、任期途中の解散もない。役割は「衆院に対する抑制・均衡・補完の機能を通じて国会審議を慎重にし、衆議院とともに国民の代表機関たる国会の機能を万全たらしめる」(1988年・参院制度研究会)と定義され、長期的・専門的な視点で法案や政策を審議できることから「良識の府」とも呼ばれている。
定数は?
▽今回の参院選から3増となり、選挙区148、比例代表100の計248。3年ごとに半数が改選される。今回の神奈川選挙区は改選定数4に加え、非改選の欠員1を補う「合併選挙」。得票数が4位までの当選者は任期6年で、5位当選者は3年となる。
立候補するには?
▽被選挙権は満30歳以上の日本国民で、衆院議員の満25歳以上とは異なる。当選を争う意思がない売名目的などの立候補を防ぐための「供託金」は、選挙区は300万円、比例代表は候補者1人につき600万円。
投票の仕方は?
▽選挙権は2015年の公選法改正で「18歳以上」に引き下げられ、参院選では16年から適用された。選挙区は候補者の名前を書いて投票する。比例代表は候補者名か政党名を記載。政党の得票数に基づいて各党の議席数が決まり、特定枠の候補者があるときはその候補者が名簿順位通りに当選し、特定枠ではない候補者は個人名の得票が多い順に当選する。
投票率は?
▽2019年の参院選で全体の投票率は48・80%で、過去2番目に低かった。神奈川選挙区の投票率は48・73%(男49・30%、女48・16%)で過去3番目に低く、1995年(40・88%)以来24年ぶりに50%を下回った。