10月31日に投開票された第49回衆院選は、自民党と野党第1党の立憲民主党がともに公示前より議席を減らす結果となった。
神奈川県内18小選挙区では自民が11、立民が7の議席を獲得。与野党一騎打ちの構図が多い中、県内各党は勝利の感触をつかめないでいる。勝者なき戦いの舞台裏を追った。(衆院選取材班)
「上田先生をもう一度国会に送るためには、(比例代表の投票用紙に)公明党と書かなければならない」
選挙戦終盤の10月27日。自民党新人の古川直季は横浜市旭区での演説で、比例単独候補となった公明党県本部代表の上田勇を自民の選挙カーに招き、上田の国政復帰への協力を呼び掛けた。並んで立った前首相の菅義偉は自公連立政権の成果を強調した。
自公連携の象徴区とされた6区では、出馬予定だった公明議員が緊急事態宣言下に東京・銀座のクラブを訪れたことが発覚して今年2月に議員辞職。公明が擁立を見送り、横浜市議だった古川が25年ぶりの自民公認候補となった。前回まで6区で7回出馬し高い知名度を誇る上田は献身的に古川を支援し、地元企業に引き回した。
比例の投票 参院選との違い
勝者不在の衆院選(5)「比例は○○へ」自公連携の真価は
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自公連立政権の継続を訴える菅氏(手前中央)と古川氏(同左)、上田氏(同右)=10月27日、横浜市旭区 [写真番号:890729]