16日夕、JR桜木町駅前。小雨がちらつく中、政策ビラを手にした前知事の松沢成文氏(63)が、改札から出てくる人の流れに合わせて右へ左へ駆け回る。
時折、通行人から「頑張ってね」「応援してるよ」との声が飛び、若者からツーショット写真を頼まれ、笑顔で応じる場面も。
県議、知事、国会議員…。豊富な政治経験と高い知名度が強みだ。出馬表明は遅れたが、日に日に手応えは増している。「最初とは全然違う。向こうからビラを取りに来てくれる」
インターネットを使った活動にも力を入れる。ユーチューブで政策を紹介する動画に加え、ライブ配信で視聴者の質問に答える双方向のやりとりで親近感をアピールする。「コロナ禍で巣ごもりをしている有権者に政策を届け、票の掘り起こしにつなげたい」と陣営幹部。
投開票日まで残りわずか。報道では苦戦が伝えられているが、松沢氏本人は意に介さない。「ここから追い上げる。それが選挙」。連日の演説で声はかすれ気味だが、気力は十分だ。