「コロナ対策という大きな壁を乗り越えなければならない」。10日夕、保土ケ谷駅前(横浜市保土ケ谷区)で演説していた前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)に、帰宅途中の女性が声を掛けた。「カジノをやらないって本当ですか」
出馬にあたってカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜誘致「取りやめ」を表明したものの、閣僚としてはIRを推進していただけに、「(有権者の)4割は疑いのまなざしだ」と真摯(しんし)に受け止める。
街頭では、有権者と率直に語り合うと決めている。女性には「賭(か)けごとで街づくりをするのが嫌だという市民の強い思いを知った」と、立場を変えた理由を正直に明かした。
自民市議の8割が陣営を支え、地元選出の菅義偉首相も支持を表明。公明党からも厚い支援を受ける。
公約に掲げる横浜版成長戦略などの実現には国との連携が不可欠。自民党の衆院議員は応援演説で力を込めた。「次の横浜を築くため、国との交渉力を持っているのは小此木さんだけ」
【熱戦・候補者】小此木八郎氏 疑問は受け止め真摯に
坂井学官房副長官(左から2人目)と支持を訴える小此木八郎氏(同3人目)=12日、横浜市泉区 [写真番号:778880]