鎌倉市議会は17日の本会議で、市から提出された「鎌倉市海水浴場のマナーの向上に関する条例」の一部改正案について、全会一致で可決した。これまで禁止されていた、サーフボードや革製のサッカーボールなどを条例で定める危険遊具から除外し、今年から泳げるエリアとは別の指定場所で使用できるようにする。
これまで同条例が適用されたため、7~8月の海水浴場開設中は午前9時~午後5時まで海水浴場内でのサーフィンや砂浜でのビーチバレー、ビーチサッカーなどは禁止されていた。
新型コロナウイルス禍で市は2020、21年と市内3海水浴場の開設を見送っていた。その期間中にサーフィンやマリンスポーツの良さが再認識されたことや、市民から「7月や8月もサーフィンやビーチスポーツを楽しみたい」との声を受け、検討を重ねてきた。
市は海水浴場の健全化に向け「他人を思いやり、お互いが快適に楽しめる海水浴場」を基本理念とした同条例を14年に制定、翌15年には、遊泳者の安全確保のための改正を行い、砂浜での飲酒や音響機器の使用を禁止することで、風紀の改善に努めてきた。
一方、多様化する海の利用方法に対応するため、海水浴場内での禁止行為の緩和についても検討してきた。今後は、指定場所でサーフィンができるようにする。具体的には由比ガ浜では遊泳者がおらず、海の家からも離れた海水浴場の端などを想定している。また、24年以降には海水浴場内にビーチスポーツができる場所を設定する見込みという。
市観光課は「今後は地域住民や漁業組合、海浜組合とも合意形成を図った上で、詳細を決めていきたい」としている。(鈴木 崇宏)