
相模原市が橋本駅周辺整備で計画する街路事業の「大西大通り線」を巡り、住み慣れた地域から立ち退く可能性がある住民らが不安を募らせている。新たな道路は住宅街を約1キロにわたり横断する計画で、市は用地取得の対象となる家屋などは約100棟と想定する。住民らは「あまりに一方的な計画」と、市に対して不信感をあらわにする。
「区分地上権」の契約
「静かな環境で近所の人とも仲が良い。子どもたち家族も近くに住んでいて、孫の世話をしながら暮らそうと思っていたんですけどね…」。2月、相模原市緑区西橋本の自宅で女性(67)は顔を曇らせた。
2014年12月、リニア中央新幹線が自宅の地下を通ると知った。「神奈川県駅(仮称)」が設置される橋本駅周辺の住宅密集地ではリニアが40メートル未満の地下を走る。JR東海は地下を利用する「区分地上権」の契約を地権者と結ぶ必要があり、女性にも同社の委託を受けた市などから度々、連絡が入るようになった。
一切なかった道路の話
橋本駅周辺整備で新道路 住民立ち退きの可能性に募る不安
相模原市は国道16号(手前)から西側(奥)に約1キロに渡って「大西大通り線」を通す計画を立てている=同市緑区 [写真番号:1143621]
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