薄くて軽く、曲げられる特性を持つ「ペロブスカイト太陽電池」の実用化を目指し、横浜市は9日、桐蔭学園(同市青葉区)と連携協定を結んだ。同電池を発明した桐蔭横浜大・宮坂力特任教授の研究チームと地元企業との協業やPR活動を支援する。設置場所に制限がない同電池の普及は、脱炭素社会の実現に向けた切り札となりそうだ。

研究チームによると、同電池の発電に使う特殊な原料は、プラスチック製フィルムのような薄い素材に塗布できる。このため軽量でゆがみに強く、一般的なシリコン型の太陽光パネルを設置しづらい住宅の壁面や車の屋根などにも容易に貼り付けられるという。
2006年に宮坂氏らが仕組みを考案して以降、国内外で研究が進み、発電効率が飛躍的に向上。雨天時などの弱い自然光でも発電できるため、屋内での活用も視野に入ってきた。印刷技術による製造が可能で、コストを抑えて大量生産できる強みもある。
東急青葉台駅で実証実験
薄く軽く曲げられる太陽電池 実用化へ横浜市と桐蔭が連携
ペロブスカイト太陽電池を手にする宮坂氏(中央)ら=横浜市役所 [写真番号:1139393]
スマートフォンのライトをペロブスカイト太陽電池に当てると、プロペラが勢いよく回り始めた=横浜市役所 [写真番号:1139394]
ペロブスカイト太陽電池を折り曲げる宮坂氏=横浜市役所 [写真番号:1139395]
宮坂氏と研究を進めるメンバー=横浜市役所 [写真番号:1139396]