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横浜市予算案 一般会計1・9兆円「三つのゼロ」一部実行

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2023年1月27日(金) 23:02

横浜市庁舎

 横浜市は27日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆9022億円で前年度当初比3・7%減だが、中小企業の借り入れ需要低下に伴う事業費の減額があり、実質的にほぼ横ばいとなった。歳出入の見直しによって財源を捻出し、子育て世代への支援策を拡充。前年度に予算計上を見送った山中竹春市長の主要公約「三つのゼロ」についても、一部の実行にこぎ着けた。

 一般会計で歳入の柱となる市税収入は、2・1%増の8639億円。納税者の人数と1人当たり給与所得の増加に伴う個人市民税の増収に加え、法人市民税と固定資産税も増額を見込む。ふるさと納税による減収想定額269億円を差し引いても、過去最高に達する見通し。市税のうち20億円は補正予算の財源に充てるため、当初予算案には計上していない。

 歳出の6割弱は、義務的経費が占めた。内訳は福祉・保健・医療行政などに必要な扶助費と人件費、公債費の三つで、計1兆1202億円に上る見込み。

市民1人当たり予算の使いみち

 昨年策定した財政ビジョンに基づき、借入金に当たる市債の活用額は15・6%減の1148億円に抑えた。市債償還の原資となる減債基金からの取り崩し額も170億円に抑制。取り崩しは段階的に減額し、30年度までにゼロを目指す。

 並行して歳出と歳入両面の見直しも図った。林文子前市長時代に成長戦略の柱の一つと位置付けた「横浜芸術アクション事業」(横浜音祭りなど)は終了し、新たなにぎわい創出の形を模索。保有資産活用の一環で本牧ふ頭(同市中区)の用地を国に売却し、事実上解散していた市建築助成公社を別の公社と合併させて利益剰余金を受け取る。一連の見直しにより、200億円強の財源を捻出したという。

 貯金に相当する財政調整基金の23年度末残高は、実質ベースで微増の148億5千万円を見込む。新型コロナウイルスの影響で20、21年度に発行した赤字地方債459億円の残高は、23年度末に412億円となる見通し。

一般会計当初予算案

 山中市長が選挙公約に掲げた「三つのゼロ」を巡っては、まず小児医療費の完全無償化に必要な事業費を盛り込み、8月に実施する。出産費用の無償化と敬老パスの無料化については、調査費を計上して実態の把握を進める。26年度の開始を目指す中学校での全員給食に向けては、デリバリー方式での実施を想定して準備費を盛り込んだ。

 25年度まで4カ年の中期計画で柱に据えた子育て世代への支援策では、保育施設に入れない保留児童の解消に向けて、ニーズの高い1歳児の受け入れ枠を増やした既存施設への助成制度を新設。保育所などへ一時的に子どもを預けられる無料券の配布といった新規事業も打ち出す。

 27年に国際園芸博覧会(花博)が開催される上瀬谷通信施設跡地(同市瀬谷、旭区)の利用推進や、山下ふ頭(同市中区)の再開発構想も加速させる。(武田 晃裕、解説も)

【2023年度当初予算案】

一般会計 1兆9022億円(3.7%減)
特別会計 1兆3068億円(4.7%増)
企業会計   5919億円(1.3%増)
……………………………………………
総  計 3兆8008億円(0.2%減)
※四捨五入のため合計が一致しない場合もある

【解説】子育て支援拡充、背景に人口減

 
 

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