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真鶴名簿不正 町議会、町長不信任決議案を否決

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2022年12月9日(金) 10:40

不信任決議案が否決された真鶴町の松本町長=9日、町議会

 真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿を自らの選挙に不正使用した問題を巡り、同町議会は9日の本会議で「松本町長にはこれ以上、町政運営を託すことはできない」として提出された松本氏への不信任決議案を否決した。町職員の相次ぐ退職による行政機能の停滞を憂慮していた議会側の“切り札”としていたが、反町長派の町議1人が反対に回ったことで不発に終わった。決議提出を求めていた住民団体は議会終了後、「リコール(解職請求)を視野に取り組む」との意向を示した。

 決議案は昨年10月の不正発覚から「松本町長の言動により町政も混乱し町民も混乱している」として、松本氏の辞任による町政の正常化を訴えた。決議案可決には議長を含めた出席議員の4分の3以上の賛成が必要。議員9人のうち名簿を松本氏から受け取っていた元町長の青木健氏と岩本克美氏に加え、反町長派から村田知章氏が反対に回り、賛成は6人にとどまった。

町議会閉会後に会見した、松本町長への不信任決議案に賛成した町議ら=9日、真鶴町役場

 町は今年9月、松本氏らを窃盗や公職選挙法違反の容疑で県警に刑事告発しており、村田氏は反対討論で「町長を信任していないが現段階の決議は時期尚早。検察による起訴のお墨付きがなければ(出直し選挙で)松本氏に勝つことはできない」と主張した。

 賛成した加藤龍氏は現在の町政の停滞を踏まえ、「地獄が町民や職員に降りかかっている。もう一度、町民に(選挙による)バトンを手渡したい」と呼びかけた。小差による否決に田中俊一議長は「残念だがここで諦めるわけにはいかない」とし、決議案を今後再提出する意向を示した。

不信任決議案が否決され、議会終了後に記者会見をする真鶴町の松本町長=9日、町役場

 松本氏は議会後に「決議案提出を厳粛に受け止める」としながらも、辞職については「応援してくれている町民を裏切らないためにも自分からは決して辞めない」と改めて繰り返した。

 一方で、松本氏の再選から1年が経過する今月20日から地方自治法による解職請求が可能となる。有権者の3分の1以上の署名が集まれば松本氏の解職を求める住民投票が実施される。元町幹部らも加わる住民団体は議会後に会見を開き「リコールを選択肢に入れなければ町政の停滞は続く」として今後、機運醸成に取り組む方針を説明した。

 地方自治法では不信任決議案が可決された場合、首長は10日以内に議会を解散しなければ失職する。議会を解散した場合、再選挙後の議会で再び不信任決議案が過半数の賛成で可決されれば、首長は失職する。(報道部)

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 真鶴町の松本一彦町長に対する不信任決議案は小差で否決された。

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