
森を赤褐色に染めるナラ枯れの被害が三浦半島で沈静化していることが24日までに、県の調査で分かった。特に被害が目立った横須賀市内を中心に、今年はピークだった2年前の約2割まで減少した。担当者は「枯死した場所がどう変化していくか見守る必要がある」と裸地化を警戒している。
ナラ枯れは、ナラ類やシイ・カシ類などの樹木にカシノナガキクイムシが潜入することで引き起こされる伝染病。ナラ菌を樹体に感染させ、菌が増殖することで水を吸い上げる機能を阻害し、2年後には葉が枯れてしまう。
県横須賀三浦地域県政総合センターの調査によると、今年10月時点で新たに確認された三浦半島(横須賀、鎌倉、逗子、三浦、葉山4市1町)のナラ枯れ被害は294本。1060本だった前年同期に比べ72%、ピーク時の2020年10月(1656本)からは82%減っている。横ばいの鎌倉市を除き、被害全体の約8割を占める横須賀市内をはじめ3市1町は減少している。
17年に被害初確認
三浦半島のナラ枯れ沈静化 ピーク時の2割に
今年11月に撮影した同じ緑地。新たなナラ枯れ被害は見られないが、既に枯死した場所は隙間が目立つ [写真番号:1125700]
2018年8月に撮影した横須賀市長沢地区の緑地。ナラ枯れで赤褐色になっている(県水源環境保全課提供) [写真番号:1125701]