在日米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)で人体に有害な有機フッ素化合物を含む泡消火剤が流出した問題で、防衛省や神奈川県は6日、日米間の環境補足協定に基づき基地内への立ち入り調査を実施したと発表した。県によると、2015年の協定発効後、環境汚染事故に関連して県が県内米軍基地に立ち入ったのは初めて。
立ち入り調査は同日正午から午後2時半ごろにかけて防衛、外務、環境の3省の職員と県、大和市、綾瀬市の職員が実施。米軍関係者の案内で有機フッ素化合物を含む排水が流入した基地内の調整池を確認し、調整池内2カ所で採水した。採取した水は県環境科学センターで有機フッ素化合物の濃度などを調べる。
また、調整池で実施している有機フッ素化合物を低減させるための措置について米軍から説明を受けた。
県によると、泡消火剤の流出は9月24日未明に発生。格納庫から駐機場所に放出された泡消火剤を含む排水が、基地内を流れる蓼川に流出した。米軍は人体に有害な有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」などが含まれていたと明らかにしたが、流出量などは分かっていない。原因について米軍は、豪雨の影響でシステムが誤作動した可能性が高いと説明している。立ち入り調査は県などが実施を求めていた。(川口 肇)