新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県は12日、感染した要介護の高齢者を受け入れる短期入所施設を今月下旬にも開設すると明らかにした。県立障害者支援施設「さがみ緑風園」(相模原市南区)内の一部を利用し、最大30床を用意。今月下旬から受け入れを始める予定という。
施設では外部の診療所の医師が1日1回、往診・治療に訪れるほか、24時間体制で看護師と介護職を配置し、医療や介護療養体制を整備。医療機関や高齢者施設職員、介護者らの負担軽減を図る狙いがある。
対象者は県内在住や県内の施設入所者で▽65歳以上▽新型コロナの症状での入院は必要なく、宿泊施設での療養が難しい▽日常生活の介助が必要で要介護3以下▽認知症高齢者の日常生活自立度でランクⅡ以下─などを原則とする。
県内の医療・行政関係者らでつくる県感染症対策協議会が12日夜に開かれ、県はこうした方針を説明した。黒岩祐治知事は会議後、「感染した高齢者の中には施設で対応ができない人もおり、そういう人は病院に行かざるを得なかった。総力戦でこの危機を乗り越えていきたい」と述べた。
(川口 肇)