国内で4月にも始まる新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に向け、川崎市と厚生労働省は27日、円滑な接種方法を確立するための訓練を市立看護短期大(同市幸区)の体育館で実施した。医師ら約60人が参加し、問診、接種、接種後の経過観察など集団接種の手順を確認。国と自治体の共同訓練は初めてで、成果や課題などは全国の自治体で共有する。
1時間で30人前後が接種可能

訓練は医師3人と看護師5人が、4月以降の接種開始が予想される65歳以上の高齢者20人に接種する想定で実施した。受付で職員が手渡した予診票に記入し、医師が診察で体調や病歴、アレルギーなどを確認。専用スペースで看護師が実際に使用する注射器を腕に当て、模擬接種を2回実施した。
接種後はアレルギー反応などに備え、間隔を空けて15~30分間待機。救護室や米ファイザー製のワクチンを保管する超低温冷凍庫も設けた。市によると、入場から接種を終えるまで1人当たり約15~30分を要した。1時間で接種可能なのは30人前後と確認した。
「アレルギー怖い」の質問も
川崎市でワクチン接種訓練 問診、注射、観察… 共同は初
コロナワクチン接種の初訓練で、注射の手順などを確認する参加者=27日午後、川崎市立看護短期大学 [写真番号:492467]
ワクチンを保管する超低温冷凍庫(ディープフリーザー)。この日はマイナス76度でワクチンのダミーを保管した [写真番号:492439]
実際にワクチンを保管する容器も披露された。内部にはダミーの水が入っている=川崎市幸区の市立看護短期大学 [写真番号:492438]
1回目の訓練結果について語る(左から)坂元学長と岡部所長=川崎市幸区の市立看護短期大学 [写真番号:492440]
俯瞰撮影した会場。手前に見えるのは医師による予診会場。右奥に接種場所がある [写真番号:492468]
受け付けを訪れた被接種者役の男性(左)=川崎市幸区の市立看護短期大学 [写真番号:492469]
1回目の訓練を終え、報道機関の取材に応じる福田市長。「一連の流れを見ることができたのは、良かった」と語った=川崎市幸区の市立看護短期大学 [写真番号:492470]