
横浜市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を巡り、賛否を問う住民投票の実現を目指す市民団体が、20万筆超の署名を市内各区の選挙管理委員会に提出した。住民投票条例の直接請求に必要な有効署名数(6万2541筆)を超えるのは確実な見通し。実施の判断は市会に委ねられるが、市のIR関連予算に賛成してきた自公系会派が過半数を占める現状では、否決される公算が大きい。一方、団体側は、両会派の市議に賛成に回るよう働き掛ける方針。「諦めない」と実現に意欲を見せるが、果たして─。
「かなり満足している」。13日、中区役所へ署名提出に訪れた「カジノの是非を決める横浜市民の会」の小林節共同代表は、必要な法定数の3倍を超えたと胸を張った。
当初4月に開始予定だった署名活動は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期を余儀なくされた。活動は2カ月間と限られた上、生年月日など個人情報の提供に抵抗感を覚える市民も多く、苦労したというが、団体の集計では20万5852筆に達した。「(有権者の)15人に1人がわれわれに決めさせろと言っている。市会はこれを無にしないことを強く要求する」。小林氏は力を込めた。
今後の焦点は?
各区選管は提出された署名を12月3日までに審査・集計し、7日間の縦覧を経て異議がなければ有効数が確定する。団体による直接請求の手続き完了後、林文子市長が20日以内に議会を招集する流れだ。