2日の衆院予算委員会で注目の政治家対決が実現した。首相・菅義偉(衆院2区)と立憲民主党代表代行・江田憲司(8区)。「自分と立場が逆になっていたかもしれない」との菅発言は本音であろう。両者の官庁操作術の強力かつ巧みさは広く知られる。その接近の実現は霞ケ関には脅威で、官僚たちは固唾(かたず)をのんで論戦を見守った。
江田は故橋本龍太郎の首相秘書官だった。先日、NHKテレビがペルー日本大使公邸人質事件のドキュメンタリーを流したが橋本に常に寄り添う姿がある。
橋本は外務省の対策本部にあんパン入り段ボールを抱えて差し入れた。実は官邸と外務省の連絡環境が悪く、打ち合わせに出向かざるを得なかったという。あんパンは窮状を隠す江田のアイデアとされる。
「政界の森蘭丸(織田信長の側近)」と大手メディアでもてはやされた江田との初対面は20年前、議員会館の菅の控室だった。