衆院選で初当選し支援者と喜ぶ菅氏=1996年10月20日、横浜市内
県庁近くの居酒屋。着信音に気付いた県議は、慌てて携帯電話を手に取った。
「親分だ!」。「はい」「分かりました」と電話を切ると、「幹事長、もう酒やめときます」。
自民党県連元幹事長の竹内英明は、こんな光景を何度も目にした。電話の内容は「明日、朝立ちやるとみんなに連絡してくれ」。翌朝の公務が空いた菅義偉からの“指令”だった。
「まいっちゃうよ。いつもこうだもんな」とぼやきながらも、うれしそうに笑う県議。「この結束力が『スガ軍団』のすごさだよ」。足元の選挙区を固める元秘書議員らの心酔ぶりに、竹内は目を細めた。