カメラのフラッシュを一斉に浴びせられると、引き締まった表情で会場に一礼を繰り返し、両手を挙げて万雷の拍手に応えた。
午後3時20分すぎ。両院議員総会で第26代自民党総裁に選出された菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)は「地縁も血縁もない政治の世界に飛び込み、ゼロからのスタートだった私が歴史と伝統ある自由民主党の総裁に就任できた」とあいさつし、「私自身の全てを傾注し、日本のため、国民のために働く」と誓った。無派閥、非世襲という異例の総裁が誕生した瞬間だった。
史上最長政権の大番頭として存在感を発揮し、新元号「令和」を発表。国民的な知名度も得た菅氏だが、これまで「ポスト安倍」については「全く考えていない」と否定し続けてきた。
しかし、「準備」は怠っていなかった。
総理誕生(上)「安倍政権継承」、準備は怠らずに
新総裁となり、手を振る菅氏=14日、東京都内のホテル [写真番号:342957]
新総裁から前総裁の安倍氏に花束が贈られた [写真番号:342960]