商業施設「カトレヤプラザ伊勢佐木」が8日、横浜松坂屋跡地(横浜市中区)に開業する。旧横浜松坂屋のアールデコ調の外観を再現し、食品、ファッション、雑貨など、地元・横浜の人気店を含む23の専門店で構成する。松坂屋閉店から3年以上が経過したが、新たな街の“顔”の誕生に、地元商店街の期待も高まっている。
J・フロントリテイリンググループの商業デベロッパー、大丸コム開発(大阪市中央区)が運営する。地上3階建てで、店舗面積約4600平方メートル(延べ床面積約7400平方メートル)。
外観は、横浜市の歴史的建造物にも認定されていた旧横浜松坂屋のアールデコ装飾を複製。当時、使用していたエレベーターの階数表示をそのまま設置したり、エスカレーター横の装飾を再現したりと、随所に懐かしさを感じさせるつくりとなっている。
核となるのは「新鮮イセザキ市場」。魚喜、京急ストアなど六つの食品専門店で構成している。また、カジュアルファッションの「g.u.」、ドラッグストア「トモズ」などのチェーン店のほか、崎陽軒、勝烈庵、ありあけといった横浜の人気店も入っている。
「商圏は周辺1キロ。地元密着型のライフスタイルセンターとして幅広い世代に利用してもらいたい」と大丸コム開発。年間売り上げ目標は35億円としている。
横浜松坂屋は2008年10月、144年の歴史に幕を閉じた。横浜出身のフォークデュオ「ゆず」が無名時代に店頭で路上ライブを行っていたことでも有名。カトレヤプラザ伊勢佐木内ではゆずのメッセージビデオが流れ、写真展も開催する。
松坂屋の閉店により街の“核”を失っていた地元商店街からは歓迎の声も。伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合の加藤昇一理事長は「集客力に期待している。今後、一緒になって街を盛り上げていきたい」と話している。
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