三菱ふそうトラック・バスが川崎工場(川崎市中原区)で「メルセデス・ベンツ」の基幹部品を新たに生産する見通しであることが16日、分かった。ベンツブランドのトラックを展開する親会社・独ダイムラーグループの生産ネットワークに加わり、3年以内にも生産体制を整える考えだ。北米の大手トラックブランド「フレートライナー」向けの部品供給も視野に入れる。
神奈川新聞社の取材に三菱ふそうのアルバート・キルヒマン社長が明らかにした。
独ダイムラーグループは、2010年にトラック部門で35万5300台を全世界で販売。北米ではフレートライナー、欧州などではベンツを傘下ブランドに持っており、日本では三菱ふそうに89%以上出資している。三菱ふそうは国内やアジアなどを中心に、「FUSO」ブランドのトラックを展開している。
同グループは、ブランドごとに各国で現地生産しているが、増産の余地がある三菱ふそう川崎工場で3ブランド共通の基幹部品を手掛けることで生産の効率化を図る。
川崎で想定するのは、トラックの足回り部品となる「アクスル」。現在は三菱ふそうブランドのみ手掛ける。キルヒマン社長は「川崎でアクスル部品をつくり、欧州や米国にあるダイムラーのネットワークに出荷したい。川崎が(生産効率で)最も競争力があることから決まった」と話した。
川崎は生産部門だけで千人以上いる三菱ふそうの主力拠点。小型トラック「キャンター」、大型トラック「スーパーグレート」などの完成車、エンジン生産などを手掛ける。
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