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流通IT産業市、“神奈川発”の製品・技術も 「リテールテック」

経済 | 神奈川新聞 | 2017年3月8日(水) 02:00

商品陳列や品切れなどの棚情報を自律移動で集めて回る富士通のロボット「メイティ」
商品陳列や品切れなどの棚情報を自律移動で集めて回る富士通のロボット「メイティ」

 流通分野の最新の情報技術機器、システムが集まる国内最大級の専門展「リテールテックJAPAN2017」が7日、東京ビッグサイトで開幕した。流通業の現場の悩みに応える人工知能(AI)やロボットなど、最新の知や技を生かした展示が多く、“県内発”の製品・技術も目立った。

 ひときわ注目を集めたのは、参考出展として初披露となった富士通(本店・川崎市中原区)の店舗ロボット「メイティ」だ。高さ160センチほどの円柱のような本体がスーパーマーケットなどの店内を巡回し、残数や期限切れといった商品棚の情報をタブレット端末などに送信する。

 開発に当たり実際の売り場を調べたという担当者は「品切れを素早く発見し、最適に補充するのは重労働。人手不足と言われる現場のマンパワーを補える存在になれば」と説明。離職率が高いとされる現状にも言及し、「メイティの情報を活用することで、品出し業務などで新人でも効率よく働けるようになる」。

 現在は、投資効果を見極める実証実験をスーパーなどと進めている。将来的にAI技術と組み合わせ、商品が売れやすい棚割りなどを助言する機能の実現も目指しているという。

 AIをスーパーの販売戦略で役立ててもらいたい、と積極提案したのはNEC(東京都)。川崎市中原区に本拠を置く自社のデータサイエンス研究所が手掛けたAI技術を活用した二つのシステムを披露。

 一つは商品需要を予測するシステム。過去の販売実績や天気予報、イベントの有無などを入力すると、AIが相関関係を分析し、予測される販売数をはじき出す。各店員の習熟度に依存せずに仕入れの最適化が図れ、「販売機会の損失や売れ残りによる廃棄を低減していける」と担当者。

 もう一つは購買履歴などから来店客の生活習慣を分析するシステム。「従来なら『健康志向の商品が売れた』しか分からなかったが、ダイエット目的とか、運動不足で免罪符的に選んだといった顧客像をAIが類推する。品揃えや販売促進に生かせるようになる」

 同社ではいずれのシステムも年内提供開始に向け取り組んでおり、会場でも積極的にアピールしていた。

 大手電機に限らず県内中小も存在感を光らせた。小売り・飲食業でタブレット端末を活用したPOS(販売時点情報管理)システムを導入する動きに着目した大江電機(横浜市南区)では、タブレット端末用のドックを展示。ドックは充電機能に加え、レシートを発行するプリンターやバーコードを読み取るスキャナーの機能も搭載。機器を個別に買いそろえる手間をなくし省スペースに対応した。

 ドックに特殊なセンサー機器を装着して勤怠管理が行えるようにしたり機種によって本体パーツを店の雰囲気に合うカラーに簡便に取り替えられたりといったカスタマイズも提案。担当者は、「タブレット端末のPOSは比較的安価で導入でき、保守もしやすい。利点をもっと周知していきたい」と語った。


プリンターやスキャナーを搭載したドックにタブレット端末を据え置き、POSシステムとして使える大江電機の製品
プリンターやスキャナーを搭載したドックにタブレット端末を据え置き、POSシステムとして使える大江電機の製品
 
 

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