三菱ふそうトラック・バス(川崎市幸区)は大型トラック「スーパーグレート」のハイブリッドモデルを開発した。国内トラックメーカーでは初めてで、すでに実証実験は終えたという。投入時期や生産台数などは検討中。神奈川新聞社などの取材に応じたアルバート・キルヒマン社長は「コスト競争力のある地域で造るが、川崎工場で生産する可能性が高い」と説明した。
市街地を走る小型トラックでは2006年に「キャンター・エコハイブリッド」を投入しており、来春にも次世代モデルを発売する予定。
同社によると、大型トラックの分野では他社は開発に力を入れていないという。「ハイブリッド車はブレーキの熱エネルギーを電気に変えるため、主に輸送用で高速道路を走行する大型トラックには向かないとされてきた」(同社)ためだ。
ただ、今回開発した「スーパーグレート」のハイブリッドでは、東名高速での走行実験で、現行ディーゼルトラックと比べ1割以上の燃費改善効果が得られた。キルヒマン社長は「手応えを感じている。将来的にハイブリッドは大変重要な戦略だ」と意欲を話した。
親会社・ダイムラーグループ全体のハイブリッド開発を統括する川崎工場内の「グローバルハイブリッドセンター(GHC)」の研究要員も順次増員するという。
一方、円高など為替が不安定な中でも、川崎工場で年間7万台程度の生産台数を維持する考えも明らかにした。「川崎を海外輸出ネットワークの中心拠点として位置づける。世界の拠点の中でも、リード工場としての役割」(キルヒマン社長)と説明した。
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