ぐるぐる回ってすくすく育つ―。秦野市戸川にある農業生産法人「グランパファーム秦野」の野菜工場は、円形水槽を用いた直径30メートルのエアドーム式ハウス。毎夜、フリルレタスの苗がぐるりと1回転。円の中心で植えられた苗は回転しながら円の外側へ移動していき、約40日後に安定的に収穫できる。
開発したのは、野菜の生産・販売会社「グランパ」(横浜市中区、阿部隆昭社長)。太陽光を採り入れやすいフィルムで工場を覆い、ファンで自然の空気を取り入れて対流させる。農産物の成長とともに苗同士の間隔が広がっていくため、苗を隙間なく定植でき生産能力は2倍以上になるという。
同工場は現在1棟で、今後、隣接地に4棟を増やす予定。東日本大震災の被災地からは「農業再生を目的に100棟以上の注文がある」(同社)といい、東北の復興でも活躍しそうだ。
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