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苦境の中央卸売市場、震災影響や整備対象漏れも/神奈川

経済 | 神奈川新聞 | 2011年8月21日(日) 10:55

横浜市中央卸売市場の取扱高の推移
横浜市中央卸売市場の取扱高の推移

県内に四つある中央卸売市場が苦境に立たされている。量販店の直接買い付けなど市場外流通の増加で取扱量が減る中、東日本大震災や原発事故後の影響が追い打ちをかけているためだ。さらに国が選定した重点整備対象からほとんどが漏れ、市場関係者からは「機能強化される県外の市場に取引先を奪われかねない」と懸念する声が出ている。

国の許可を受け、地方公共団体が開設できる中央卸売市場は、県内に横浜市3(本場、南部、食肉市場)、川崎市1(北部市場)の計4市場ある。横浜本場・南部市場取扱額(青果・水産部合計)は1990年前半に年間3千億円に迫ったが、2009年には2千億円を割り込んだ。震災のあったことし3月単月では前年比11%減少した。

横浜市は今月1日、水産部の入荷状況について「被災した岩手、宮城、福島3県からの入荷量は例年と比べるといまだ激減」と発表。青果部は「例年並みに戻りつつある」としたが、本場の青果卸は「放射能汚染問題が尾を引き、仕入れ業者の手控えが解消されておらず、取引は低調」と嘆く。

取扱量の落ち込みもさることながら、市場関係者が危機感を強めたのは、震災後の3月31日に国が発表した15年までの市場整備計画。国が重点的に施設整備などを行う「中央拠点市場」について全国46都市74市場(3月時点)から29市場を選出したが、県内からは横浜本場の青果部しか選ばれなかったからだ。

中央拠点市場の選定要件にもなる取扱額では、県内各市場の水産部はいずれも全国上位10位以内に入るレベル。しかし、もう一つの要件である開設区域外への販売割合で選出基準を満たせなかったという。

横浜市場の場合、市外に販売される「区域外販売」の割合は54%。要件となる60%を下回っていた。ある市場関係者は「横浜という大消費地に拠点を構えるせいか、区域外の開拓に対する努力が足りなかったのでは」と悔しがる。

市場外流通の増加で厳しい商環境が続く一方、築地など都市場との競争も激化。本場・南部市場の年間取扱量は20年間で約12万トン縮小した。両市場は14年までに再編を予定しており、南部は中央卸売市場としては廃止となる計画。増田文彦横浜本場長は「地の利の他に、横浜ならではの独自性や機能をどう打ち出していくか。今の南部市場と今後どう連携効果を高めていくかが喫緊の課題」と語る。

◆中央拠点市場 国が3月に発表した第9次中央卸売市場整備計画の中で、市場間の機能・役割分担の一環で、重点整備対象として選んだ中央卸売市場。大型産地からの荷を大量に受け、周辺の中小規模の中央卸売市場と連携した流通を担う。大型車両に対応する保管・積み込み施設や情報処理施設を整備する際などに補助金交付率が高くなる。今回は青果市場19、水産市場10の計29市場が選ばれた。新潟や金沢など県内市場より取り扱い規模が小さい市場も選ばれている。

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2008年から毎月第1、第3土曜日に一般開放を始めるなどし、市場活性化に取り組む横浜市中央卸売市場本場=横浜市神奈川区山内町の同市場水産物部仲卸売場
2008年から毎月第1、第3土曜日に一般開放を始めるなどし、市場活性化に取り組む横浜市中央卸売市場本場=横浜市神奈川区山内町の同市場水産物部仲卸売場

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