種苗大手サカタのタネ(横浜市都筑区)は、総合園芸卸の横浜植木(同市南区)のトルコギキョウ事業を、22日付で譲り受けた。トルコギキョウの需要は、従来から安定していた冠婚葬祭用に加え、近年は日常使いにも拡大。サカタのタネは取り扱い品種の拡充でマーケットの多様化に対応し、新規顧客層の開拓やブランド力の向上を図る。
譲渡額は非公表。サカタのタネは、譲渡を受けて3月1日から新たに21品種の種子の受注を開始し、4月中旬ごろから販売する。研究段階の素材も継承し、今後の品種開発や商品化につなげていくという。ラインアップは横浜植木から譲り受けた分を含め、約120品種に拡大する。
1990年代後半からトルコギキョウ事業を展開してきた横浜植木は、アンティーク調の花色や小ぶりな花型を得意とし、装飾用やブライダルブーケ向けなどニッチ市場で拡販を進めてきた。しかし今回、同社の事業見直しの一環で譲渡を決定。約40あった品種のうち、譲渡分以外は廃番とする。
サカタのタネは70年代からトルコギキョウの育種開発を進めており、国内シェア40%、世界シェアは75%(同社調べ)に上るという。