大手事務機器メーカーが県内に大型拠点続々と集積、地元企業との連携も期待/神奈川
経済 | 神奈川新聞 | 2011年2月20日(日) 12:28
大手事務機器メーカーが県内に大型拠点を集積させている。本社機能は都内に置いているが、開発や生産技術など中核拠点は、ほぼ県内にまとまりつつある。いずれも県の産業誘致方策(インベスト神奈川)を活用しており、地元企業との連携も期待される。
富士ゼロックス(本社東京都港区)は昨年4月、横浜・みなとみらい21(MM21)地区にグループ最大の研究開発施設「R&Dスクエア」を完成。全国8カ所の研究開発(R&D)部門など4500人を集めた。
海老名には生産技術の拠点がある。「MM21で開発し、海老名で試作する。連携をスムーズにしたい」(山本忠人社長)。製品開発までの期間は1割程度は短縮できる見込みという。
営業・顧客サポート拠点もMM21地区に集約。関連会社の本社も都内から移転させた。林文子横浜市長が山本社長を訪問し、トップセールスを行った成果という。
リコー(本社東京都中央区)は全国15拠点のうち7拠点が県内にあり、さらに機能強化を図る。
海老名市下今泉の「テクノロジーセンター」内に昨年11月、地上23階建てのビルを完成させた。設計、生産技術、購買、評価部門などを集中させたことで、開発期間の3割短縮を見込む。「(海老名は)ものづくりの本丸」(近藤史朗社長)と位置づけており、さらに新棟建設も計画中だ。
大手企業の拠点が集まってきたことで、地元中小企業との連携も期待される。主力製品の複写機・複合機は使用する部品が数千点で、裾野が広いからだ。
リコーは「地産地消のものづくり」(近藤社長)を目指し、同センター内に中小企業などとの情報交換スペースを設置。複写機などの組み込み部品の高機能化・低価格化につながる案があれば、中小企業に発注している。富士ゼロックスの山本社長も「技術力のある企業があれば組みたい」と意欲を示す。
インベスト神奈川で県が支援する額は両社合わせて最大100億円に上る。「地元企業に仕事を発注してほしいとお願いしている。効果はこれから」(産業立地課)と話している。
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