神奈川新聞社と神奈川県中小企業家同友会は4日、景気動向や経営課題に関する共同アンケートの結果をまとめた。2011年の景気見通しについて、半数が「横ばい」(49%)と答え、昨年の緩やかな回復局面から踊り場に差し掛かっていることを裏付けた。一方で「緩やかに拡大」(27%)が「緩やかに後退」(17%)を上回り、県内中小企業の堅調ぶりもうかがえる。
業種別では、建設業や金属・機械器具製造業が「横ばい」と先行きについて慎重な姿勢の企業が多いのに対して、運輸や卸売業、サービス業は「緩やかに拡大」との割合が高く、ばらつきが見られた。
雇用を取り巻く環境が依然として厳しい中、今後の従業員数は「増やす」(47%)と「変わらない」(45%)がほぼ拮抗(きっこう)し、拡大に向け意欲的な一面をのぞかせた。ただ人材確保については、今春の新卒採用を「実施した・する」は27%にとどまり、事業展開に合わせた柔軟な採用や即戦力を求める企業の動きが明らかになった。
経営上の課題はほぼ全業種で「受注先・販路の拡大」がトップ。とりわけ金属・機械製造業は顕著で、売り上げ確保に奔走する中小企業の姿が浮かび上がる。人的資源が経営を左右するサービス業では、販路拡大と並び「コスト削減」「人材確保・育成」を挙げる企業が多かった。
公的機関などに強化してほしい支援策は「経営相談」「受発注商談会」「産学連携」と、こちらも受注先・販路の拡大に関連するものが上位を占めた。
アンケートは昨年12月上旬から中旬にかけて行い、同友会の会員企業132社から回答があった。
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