小田原市が今後の一般会計の歳入と歳出額を推計した結果、2022年度に約14億円の収支不足に陥る見込みとなったことが17日、明らかになった。人口減少で歳入の根幹となる市税が減少する一方、高齢化で扶助費などの義務的経費が増加するのが主な要因。同日開かれた、県西地域の中心市のあり方に関する調査特別委員会で、市側が報告した。
合併の是非などを検討する南足柄市との2市協議会での基礎資料などにするため、小田原市は15年度の決算額をベースに、22年度までの7年間の歳入・歳出額を推計した。
歳入面では生産年齢人口の減少などが響き、市税が徐々に減少。歳出面では、高齢化に伴い、障害サービス給付費や障害者医療費助成が増え、義務的経費が膨らむと見込んだ。その結果、21年度までは歳入が歳出を上回るものの、22年度は約641億円の歳入に対して歳出が約656億円と上回り、約14億5千万円の収支不足に陥るという。
財政推計には、多額の予算が必要となる市立病院の建て替えや市民ホール「芸術文化創造センター」の整備などの事業は含まれておらず、市は「さらに厳しさを増す可能性がある」と説明した。
特別委ではほかに、両市が7月に両市民3600人を対象に実施した、将来のあり方を問うアンケートの結果も報告された。回収率は35・08%。
2市協議会が検討テーマに掲げる合併・中核市移行・広域連携について、73%が「必要」または「どちらかといえば必要」と回答。合併で期待できる効果について、▽行政の効率化や経費削減▽広域的な視点に立った効果的なまちづくり▽利用できる窓口や公共施設の増加-を挙げる市民が多かった。
反対に不安は、▽公共料金の引き上げや行政サービス水準の低下▽地名の変更に伴う手続き▽財政状況の悪化▽市街地と周辺部のまちづくりでの格差-との回答が多かった。
市は、南足柄市との合併による歳出削減効果額を試算した結果、約14億円と見込まれると説明した。