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横浜丸魚・芦澤豊社長
新社長2016 地産地消で原点回帰

経済 | 神奈川新聞 | 2016年8月2日(火) 11:37

芦澤豊社長
芦澤豊社長

 消費者の節約志向や魚離れに加え、少子高齢化や個食化の進展で消費減少が続く水産物市場。厳しい環境下で生き残りを懸け、収益源の多角化や横浜市中央卸売市場本場の一員として地産地消の取り組みを進めるのが、水産物卸の横浜丸魚(同市神奈川区)だ。新社長に就任した芦澤豊氏に抱負や課題を聞いた。

 -意気込みや目標は。

 「2016年度は3カ年の中期経営計画の最終年度。岩瀬一雄前社長の方針に沿って目標達成を進め、中計の総仕上げを無事に乗り切ることに尽きる。来年度は会社設立70周年の節目に加え、私が初めて目標を策定する年になる」

 -水産業界をとりまく課題と企業努力は。

 「加工品や冷凍品を中心に市場外流通が増えるが、鮮魚は市場の集荷力が依然として強い。集荷力のさらなる強化という“原点回帰”が不可欠だ。中央市場にとって売上高は重要な要素で、減収を下げ止め、反転の道筋を付けるのが喫緊の課題。具体的には、県内で水揚げされた鮮魚を積極的に取り扱うなど他市場との差別化だ」

 「16年3月期決算が営業・経常利益とも増益だったのは、08年度から取り組んできたグループ会社再編の効果だ。市中央卸売市場の再編・機能強化に対応して南部支社を統合するなど、8社あったグループ会社を自社含め4社に集約した。集荷力や機動力の向上を全体の課題に据え、業務効率化に取り組んできたことが実を結んだ」

 「自社従業員寮の賃貸転用を契機に不動産業にも力を入れている。事業に占める割合は、営業利益ベースで3分の1となる見込み。武蔵小杉や横浜駅東口の単身者向け物件も取得し、今期は3棟で年間7千万円超の営業利益を見込む。将来的な目標は1億円。漁獲量や消費量の減少などで水産業は厳しい。収益源の多角化を通じて生き残りを図る」

 -中央卸売市場本場水産物部の経営に対して卸業者として貢献できることは。

 「地魚の集荷力向上に加え、産地(漁港)との交流強化に乗り出した。従来は電話で発注していたが営業社員が漁港に出向くなど、コミュニケーションを密にしている。通常の競り後に、当日水揚げされたばかりの鮮魚を競りにかける『おっかけ』も含んだ鮮魚取扱量は、従来の倍以上に増えた。地産地消の推進は他市場との差別化を図る最大のポイントであり、自社にとっても大きな商機だ」

 -11月に東京・豊洲市場がオープンする。

 「対豊洲という対立軸ではなく『横浜市場ここにあり』という独自の存在感をもっとアピールする必要があり、その一つが地産地消の強化。物流面では、各地から東京経由で陸送される水産物に一部延着が見込まれており、作業オペレーションの見直しが必要になるかもしれない。豊洲新市場の建物構造の関係で荷下ろしに時間がかかるためだ」

 -今後、どのように経営体質を強化していくか。

 「無借金経営が続いており、自己資本利益率(ROE)を高めるための選択と集中が課題だ。不動産も好調だが本業にはならない。やはり水産物の売上高と収益の伸びがポイント。集荷力を向上し、産地との交流強化に一層注力したい」

 あしざわ・ゆたか 1974年横浜丸魚入社。主に総務畑を歩み、2007年常務取締役、11年グループ会社「ハンスイ」代表取締役社長、13年専務取締役。立正大学経営学部卒。64歳。横浜市緑区在住。

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