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二宮団地で県住宅供給公社
自然アピール、リノベーション…魅力向上で入居促進

経済 | 神奈川新聞 | 2017年1月31日(火) 15:19

リノベーション後の居室内。枠組みに小田原産のスギを利用した流し台も =二宮町
リノベーション後の居室内。枠組みに小田原産のスギを利用した流し台も =二宮町

 県住宅供給公社は、二宮町の丘陵地に立ち並ぶ二宮団地の再編事業を進めている。50年以上前に整備した同団地は施設老朽化や少子高齢化に伴う空室増が顕著で、地域コミュニティーの衰退や商店街のにぎわい低下にも直面。建物の耐震化や集約を進めると同時に、農業体験イベントなどの事業も実施している。団地生活の魅力を広く発信し、入居促進につなげていく。

 平塚など近隣エリアの工業団地就業者向けの住宅として開発された二宮団地は、1962年から約72ヘクタールを造成。同公社の団地(賃貸)や一戸建て(分譲)など計約1900戸が建てられた。同公社が再編対象とする団地は28棟856戸あるが、管理や修繕のコスト削減を目的に2024年までに18棟580戸に集約する計画だ。

 同団地はベッドタウンとしての役割を終えた近年に空室増が進み、昨年11月時点の入居率は57%に低迷。およそ2室に1室が空室で、同団地を学区とする町立小学校の児童数もこの10年でほぼ半減という。

 今回の団地再生プロジェクト「湘南二宮さとやま@コモン」は、(1)入居率向上(2)地域や団地の魅力向上(3)耐震改修や修繕の効率的な実施-が柱。地域内外から入居者を呼び込むため、海山の豊かな自然環境や交通利便性をアピールし、リノベーションによる住まいの魅力向上や近隣住民らと連携した催しを展開する。

 リノベーションは若年層を意識し、室内を明るく自然な雰囲気に様変わりさせる。キッチン流し台の木組みやフローリングの一部に小田原産のスギを用いるなど県産木材を活用。入居希望者の生活スタイルに応じてあらかじめ間取りを選択できるプランや「二地域居住制度」を同公社として初導入し、「ウイークデーは東京で仕事、週末は二宮で土いじり…という暮らしも可能」と担当者は話す。

 団地と地域の共生に焦点を当てた取り組みも進む。商店街の空き店舗を活用した共同ダイニングを設けたほか、団地エリア内で共同菜園づくりも。「県内の他地域で手掛ける団地再生とは一線を画し、近隣を含めた魅力付けを意識している」のが特徴だ。

 建物を集約する24年の入居率8割が目標。34年には9割超まで引き上げたい考えだ。昨年12月には一般向け内覧も始まり、中高年世代を中心に関心を呼んだという。「幅広い世代が団地に暮らしているのが理想。イベント運営に近隣の人が交わってもらい、今まいた種を地域ぐるみで育てたい」と担当者は話している。


県住宅供給公社が50年以上前に整備した二宮団地。空室増に伴い、コミュニティー衰退や商店街のにぎわい低下などの課題に直面している=二宮町
県住宅供給公社が50年以上前に整備した二宮団地。空室増に伴い、コミュニティー衰退や商店街のにぎわい低下などの課題に直面している=二宮町
 
 

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