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ゲノム解析を高速化 富士通研究所が新技術

経済 | 神奈川新聞 | 2016年3月24日(木) 10:18

 富士通研究所(川崎市中原区)は、ゲノム(全遺伝情報)上の変異情報と、疾患や生活習慣などによる環境要因の関連性をデータベース上で解析する際、従来の約400倍の速さで処理できる技術を開発した。医療機関との共同研究、倫理審査を経てヘルスケア分野の製品・サービスへの応用を目指す。

 同社が開発したのは、情報の高速集計処理を可能にするデータ構造(ゲノム型)と処理技術。解析すべきバリアント(個人差の要因となる変異)の情報をコード化することで、ゲノム情報のデータサイズを従来の文字列に比べて16分の1に削減した。

 ゲノムに基づく個人の体質や症状に適した医療を行う「ゲノム医療」をめぐっては、遺伝情報と環境要因の関連性を探る研究が進められている。このような研究ではゲノム情報をデータベースに格納して処理するが、さまざまな角度から解析するため取り扱うデータ量が膨大で、処理に時間がかかっていた。

 例えば10万人規模の母集団データに対し、一つのバリアントについて既存のデータベースソフトを使って集計すると、処理に約1秒かかることが同社の調べで分かっている。同集団規模で1千万カ所のバリアントについて集計すると、約120日を要することになる。

 バリアントと、疾患や薬効の関連性を網羅的に調べる研究では、このような解析を繰り返し行う必要があり、処理スピードの高速化が課題となっていた。同社は「今後も集計処理の一層の高速化や、運用に必要な機能の実装を進める」としている。

 
 

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