自動車用キーセットを手がけるアルファ(横浜市金沢区)は3日、スウェーデンの錠前・ドアメーカー、アッサ アブロイがチェコなど5カ国で展開する自動車用キーセットに関連する事業を譲り受ける契約を締結した、と発表した。未開拓だったという欧州市場進出の足がかりとする考えだ。
買収したのは、アッサ社がチェコやメキシコ、ドイツ、スイス、中国で展開していたカーアクセス・セキュリティ事業。アルファの中核事業の一つである自動車用キーセットが含まれるほか、欧州の自動車大手の顧客基盤を持つことなどから買収を決めたという。
買収を機にアルファは「空白地帯だった」(同社)という欧州市場への攻勢を強める考え。買収事業の自動車用キーセットなどの技術の連携を図り、短納期化や性能向上につなげていく。
2日付けで契約を結び、事業の譲り受けは5月の予定。買収額は21億円に上る見通し。主要拠点のチェコをはじめ、400人弱の雇用を維持し、今後は技術や人材交流も視野に入れる。
担当者は「北米と並ぶ自動車メーカーの主戦場ともいえる欧州で、ハードルは高いが、開拓に力を入れていく」と説明した。アルファは米国やタイ、中国など海外進出を続けてきたが、今回で日本を含む12カ国23拠点体制となった。