半導体商社のPALTEK(横浜市港北区)が発表した2015年12月期連結決算は、売上高が前年同期比24・6%増の288億4100万円、営業利益が35・0%増の13億6100万円、純利益が19・9%増の6億7400万円で増収増益だった。半導体事業や、設計受託を手掛けるデザインサービス事業の売り上げ増が寄与した。
主力の半導体事業では、購入者などが構成を設定できるFPGAと呼ばれる半導体で新規顧客との取引が拡大。産業機器や医療機器向けが増加したほか、新たに車載機器向けにも展開を開始した。
収益面で重要事業と位置付けるデザインサービス事業では、無線通信機器やIoT(モノのインターネット)向けの設計受託が堅調に推移。子会社が開発した監視カメラシステム向けの自社製品の販売も好調だった。
同社はIoT関連製品の拡充を戦略の一つに掲げており、4日には同市場向け無線製品で沖電気工業(東京都港区)と販売パートナー契約を締結したばかり。FPGA市場での事業拡大にも余念がない。10日に開いた決算説明会で矢吹尚秀社長は「デザインサービスの強化や中小顧客の拡大、パートナー企業との連携を一層強化したい」と述べ、通信機器や4K・8K関連の放送機器、次世代医療機器といった成長市場分野での売り上げ増にも意欲を示した。