契約満了に伴い、5月にテナントが撤退する大雄山線大雄山駅前の複合商業施設「ヴェルミ2」(南足柄市関本)の新たなキーテナントに、小田原百貨店(本社・小田原市栄町)が決定した。全4階のうち1階で生鮮食料品を取り扱う。昨年6月に現テナントの撤退が明らかとなり、同施設を管理する大雄山駅前開発や南足柄市が後継テナントを探していた。引き続き2~4階のテナントを探していく。
同市が3日に発表した。契約期間は15年。同市によると、昨年末までに店側との間で合意し、2015年度内にも正式契約に至るという。競合他社から出店を打診する声もあったが、同市のウオーキングイベントなどに南足柄店(同市狩野)がトイレや駐車場を提供するなど、地元企業としての地域への貢献度を高く評価した。
全館借り上げている現テナントとは異なり、2階以上には新たなテナントを入れる必要があるが、市によると現状では6割程度の出店にとどまるという。大雄山駅前開発の大澤和雄常務は「1階の店舗が決まったことで、イメージがしやすくなる。これまでにはなかったような店舗を入れていきたい」と意気込む。
現テナントのピアゴ大雄山店(ユニー=愛知県稲沢市)は5月15日で閉店し、同百貨店は改装工事を経て9月中のリニューアルオープンを目指す。同百貨店の関係者は「地域のライフラインとしてこれまでも出店してきた。駅前の活性化に向けて食品は任せていただきたい」と強調した。
現在閉店セール中のピアゴでの買い物を済ませた市内中沼の主婦(67)は「閉店後がどうなるのか不安だったけれど、(小田原百貨店に)決まってよかった」と歓迎する一方で、「今はピアゴ一つで日用品から衣類まで買い物を済ませられる。2階以上もそういう店舗が入ってくれたら」と注文もつけた。