インバウンド(訪日外国人客)需要の高まりを受け、横浜市内では外国人観光客向けに消費税免税手続きのサービスが広がっている。横浜駅西口の相鉄ジョイナスと横浜高島屋では免税カウンターを設置、京急百貨店では各レジで免税手続きを行い、利便性の向上を図る。
高島屋1階の免税カウンターに加え、昨年末に開設されたジョイナス地下1階免税カウンターでも、両商業施設での買い物の免税手続きを一括して行うことができる。スタッフ1~2人が常駐し、中国語や英語でも対応する。
対象店舗は高島屋と、ジョイナス内の9店舗。ジョイナスには個々に免税手続きを完結できる店舗もあるが、消費税免税店制度の改正で免税手続きを第三者に委託できることにより、今後は委託型に順次切り替える。
免税は宝飾品や衣料品などの一般物品で税別1万1円以上、食品や化粧品などの消耗品で5千1円~50万円以下の購入金額が対象。両商業施設の買い物を合算して免税手続きをすることもできる。ジョイナスは「外国人観光客が買い物しやすいインフラを整え、2月の春節シーズンに臨みたい」と話している。
上大岡駅に直結した京急百貨店では21日、免税サービスを始めた。お土産として人気の和洋菓子などをそろえた食品売り場をはじめ、ドラッグストアや化粧品売り場、家電量販店が施設内に入居する同店。同日から、一部店舗を除き免税手続きを実現する。
各レジでパスポートを提示すれば、消費税が非課税となる。面倒な免税手続きがいらず、利便性が向上するという。
対象は観光客だけでなく、一時帰国した海外在住者や、地元に暮らす外国人の家族、友人が来日した際の利用も想定する。杉山徹販売サービス部長は「国際結婚をして国籍を変更した人から、免税サービスの有無を聞かれたことも。グローバルな時代になり、結婚や仕事で海外に出るなど地元の人たちの生活の変化に対応した」
上大岡駅には、羽田空港国際線ターミナル駅から乗り換えなしだと最速35分で到着できる。杉山さんは「アクセスのよさもアピールしながら海外からの顧客を迎えたい」と話している。