ファンケル(横浜市中区)が、女性社員を積極的に活用し、出産、育児を経た社員も働きやすい職場づくりを進めている。利用者ならではの視点は商品開発に生かされ、女性管理職の割合は、実に4割を超える。女性活躍推進法が成立するなど企業の取り組みに注目が集まる中、同社は今月、「女性が輝く先進企業表彰」の内閣府特命担当大臣賞を受賞した。
同社では9月末現在、全従業員905人のうち女性が66・5%を占める。女性管理職比率は44・4%。育休取得率と育休からの職場復帰率はともに100%、育児のための時短利用率は90%ときわめて高く、女性が働きやすい環境を整えてきた。
情報開示にも熱心で、産休・育休取得者の推移をホームページに積極的に公開するほか、女性従業員が中心となって製品開発を推進。宣伝、販売促進でも女性の役割が大きい。受賞は、こうした状況を受けて県が推薦し、決まった。
同社担当者は、受賞を受けて「女性も男性もより働きやすい企業風土を整えていきたい」と話す。18年度までに、女性管理職比率50%を目指すほか、店舗スタッフへのパート従業員の採用拡大や、男性も育児に集中しやすい職場環境の推進に取り組む予定だという。
首相官邸で表彰式が行われた21日には、懇談の席で同社の池森賢二会長が「女性の感性を生かすことがものすごく重要。それをしない企業は損をする。一方で、これから全国で350店舗の体制を築こうとしているが、女性店長をどう育てるかが悩み」と話した。
昨年度創設された同表彰は、役員・管理職への女性登用などで功績があった企業が対象。
2企業が内閣総理大臣表彰、ファンケルを含む5企業が内閣府特命担当大臣表彰を受賞した。